全日本ロードレース選手権 第7戦 オートポリス2&4




■ 2017年 全日本ロードレース選手権 第7戦 オートポリス 2&4
■ JSB1000
■ 開催日:2017年9月10日(日)
■ サーキット名:オートポリス(4.674 km)




惜しくも表彰台には一歩及ばず、#23渡辺一馬選手は4位チェッカー
#87柳川明選手はさすがのシングルフィニッシュ
最後尾から追い上げた#46松粼克哉選手もポイントゲットの18位


 真夏のような日差しが戻ってきたオートポリスサーキットには、土日で14,450人のファンが集まった。スーパーフォーミュラとの共催となった全日本ロードレース第7戦はJSB1000クラスのみの開催。午前10時からのスタート進行で、決勝周回数は19ラップだ。


レポート


 2番グリッドからのスタートとなった#23渡辺一馬選手はホールショットを奪い、トップグループでレースをけん引する。ロケットスタートを見事に決めた#87柳川明選手は13番グリッドから一気に8番手までポジションアップ。今シーズン初とは思えないレース展開を見せる。序盤でミスしたのは#46松粼克哉選手だった。2ラップ目10番手争いをしているさなかに、第2ヘアピンで危うく他車と接触しそうになりコースアウト。転倒こそ免れたが次の周回でも同じポイントでコースオフすると、最後尾あたりまでポジションダウンして、厳しいレース展開となる。





 #23渡辺一馬選手は、トップ4台で形成されたグループで周回。マシン特性の違いで抜きたいポイントで我慢を強いられ、抑えたいポイントで後続に迫られるという展開に。自分のイメージする走行ラインをとれないことに加え、リズムの違いから思うようにペースが伸びない。レース中盤で5位まで後退したが上位のコースアウトで4位に浮上すると、そこからはねばりの走りを見せて、最終ラップまでポジションキープ。惜しくも表彰台には届かなかったが着実にシリーズポイント18を積み重ね128で、ランキング3位をキープしている。






 帰ってきたミスターグリーン・#87柳川明選手はアグレッシブな走りでファンを魅了。1分50秒台前半のペースを維持しながら、後続からの追い上げをしのぐ。中盤、パスされたものの最終ラップに再びアタック。コース後半のセクションでの速さを生かして前へ出る作戦だったが、周回遅れの出現で惜しくも挽回はならなかった。しかし、1年ぶりのレースでいきなりのシングルフィニッシュを達成し、地元九州のファンを喜ばせた。シリーズポイント獲得で最終戦MFJ グランプリへの出場権も獲得。秋の鈴鹿サーキットで再び雄姿を見ることができる。


 悔しいレースとなったのは地元九州出身の#46松粼克哉選手。予選でシングルポジション9位を獲得し、日曜朝のウォームアップ走行でも手ごたえを感じながら、レースの序盤で痛恨のコースオフを2度も喫してしまった。気負いがなかったとは言えないコースオフに反省しきりの松粼克哉選手だが、最後尾から着実にポジション回復し、レース中のラップタイムは#87柳川明選手とほぼ同格。速さは確実に身についてきている。次戦への期待は膨らむ。





渡辺 一馬(4位)のコメント


「スタートはイメージ通りに決まり、トップグループの中でレースを展開。ライバル達の走行ラインや特徴をしっかり確認することができました。ただ走りのリズムが微妙に異なり、前に出たいところで抑えられ、意外な場所で距離が開くといった感じで、自分のペースに持ち込むことができませんでした。後半、伸びなかったのもそのズレが大きかったかも。このウィークは調子もよくタイムアップし、今シーズンで一番優勝に近いと感じていただけに、余計に悔しい結果となりました。応援していただいた九州のファンの皆様には申し訳ありませんでしたが、チームとしてはまったく停滞していないし、着実に僕もマシンも前に進んでステップアップしているので、次につながるレースだったと思います。」



柳川 明(9位)のコメント


「シングルフィニッシュにはなりましたが、もう少し前で勝負できるレース展開に持ち込みたかったというのが本音。スタートが決まり、トップグループのすぐ後方まで食い下がれたのですが、序盤で無理をしてノーポイントという結果だけは避けるようチームオーダーがありセーフティに。最終ラップに他車とのマシン特性の違いを冷静に判断して仕掛けましたが、周回遅れに阻まれてしまいました。9位には満足してませんが、ポイント獲得できたので、このチャンスを生かし最終戦鈴鹿で悔しさを晴らします。」




松崎 克哉(17位)のコメント


「スタートはほぼポジション通り。そこから着実に前を抜いていこうとしていましたが、2周目の第2ヘアピンのブレーキングポイントで、危うく他車に接触しそうになりコースオフ。いきなり順位を大きく落としてしまいました。3ラップ目も同じポイントでミス。最後尾あたりまで順位を落とし、その後は気持ちを切り替えて、どこまで追い上げられるかを考えてレースプランを立て直し、なんとかポイント圏内でチェッカー。せっかく大勢の地元のファンが応援に来てくれてたのに、情けない結果になってしまい『もう一人の自分がいたら、ぶんなぐってやりたい』そんな気分です。」




釈迦堂監督のコメント


「レースウィークを含め確実にペースを上げていた渡辺選手にとって、ここオートポリスは優勝できる大きなチャンスだっただけに、悔しいですね。ペースやリズムの違う競り合いの中で自分のラインをどう作っていくかが今後の課題になると思います。速さには絶対的な自信が出てきているだけに、もう一つ上のステージで勝負できるようにしたいです。柳川はさすがとしか言いようがありません。ホームコースとはいえ1年ぶりのスプリントでスタートからフィニッシュまできちんとまとめて、シングルでチェッカーを受けました。ファンの方々と同様に私も最終戦が楽しみです。松粼選手は少し気合が入りすぎたのかもしれません。確実に速くなってきて、思わぬミスでさらに動揺したのか。それでも最終的にはポイント圏内まで挽回するあたりは、成長している証拠だと思います。次戦で取り返してもらいましょう。」



リザルト


Pos. No. Rider Machine
1 1 中須賀 克行 Yamaha YZF-R1
2 634 高橋 巧 Honda CBR1000RR SP2
3 12 津田 拓也 Suzuki GSX-R1000R
4 23 渡辺 一馬 Kawasaki Ninja ZX-10RR
5 9 藤田 拓哉 Yamaha YZF-R1
6 104 山口 辰也 Honda CBR1000RR SP2
7 5 野左根 航汰 Yamaha YZF-R1
8 50 濱原 颯道 Suzuki GSX-R1000R
9 87 柳川 明 Kawasaki Ninja ZX-10RR
10 72 高橋 裕紀 Honda CBR1000RR
11 71 加賀山 就臣 Suzuki GSX-R1000
12 88 清成 龍一 Honda CBR1000RR
13 18 近藤 湧也 Yamaha YZF-R1
14 85 中冨 伸一 Yamaha YZF-R1
15 090 秋吉 耕佑 Honda CBR1000RR
16 39 酒井 大作 BMW S1000RR
17 32 今野 由寛 Suzuki GSX-R1000
18 46 松崎 克哉 Kawasaki Ninja ZX-10RR
19 47 上和田 拓海 Yamaha YZF-R1
20 080 渥美 心 Honda CBR1000RR