■ 全日本モトクロス選手権 第9戦 MFJ GP
■ IA1
■ 開催日:2017年10月22日(日)
■ 会場名:スポーツランドSUGO
最終戦の舞台は、今シーズン3度目の開催となるスポーツランドSUGO。カワサキチームグリーンの小方誠にとっては、当地での4ヒート中3勝をマークしている相性の良さもあり、自信を深めて臨む最終ラウンドだった。ポイントリーダー山本鯨に対し、ランキング2位の小方は11点のビハインド。逆転タイトルへの可能性にかけるチームは、万全の態勢で菅生に赴いた。
折からの台風接近の影響もあって、天候は大会前から雨模様。土曜日はヘビーマディになったため、IA1の予選はキャンセル、IA2の予選は日曜の朝に延期となった。またスタックが発生しやすいアップダウンや奥のセクションがショートカットされ、決勝は20分プラス1周に短縮。雨量が増えた日曜には、流れ込む泥水でコースの随所が沼地と化すほどコンディションが悪化した。
ヒート1では、小方がオープニングラップからトップに立ったが、新井宏彰は1周目8番手と出遅れた。新井は2周目のスタックで、最後尾近くの15番手までポジションダウン。大きなハンディを負った。小方の背後には山本がつけ、チャンピオン争いの当事者同士によるデッドヒートとなる。
レース中盤になると、小方のスタックをきっかけとして上位が急接近。10周目からは成田亮にトップの座を譲り、山本と小方を交えた三つ巴の争いに変わった。だが、ここから本領を発揮した小方は、山本、成田を攻略してトップでチェッカー。今季8勝目となるヒート優勝をゲットした小方は、この段階で山本を6ポイント差まで追い詰めた。
ヒート2では、新井がオープニングラップ4番手、小方は6番手につけた。山本は1コーナーでの転倒から、5周目には3番手まで浮上。中盤は新井が山本と接戦を繰り広げたが、8周目に新井の転倒によって決着がついた。レース終盤になると、小方が山本をかわして優位に立ったが、小方4位、山本5位でフィニッシュした結果、逆転タイトル獲得はならず、小方のランキング2位が確定した。
新井は両ヒート7位でゴール、今季ランキング5位を得た。
レポート
●小方誠の最終戦(IA1/1位/4位)
チャンピオンを目指して頑張ってきましたが、今年は2番でした。悔しいです。それでも頑張ってきた結果なので、受け入れるしかありません。ただ去年と比べると、今年は5連勝などの好成績を収めることができたので、やってきたことは間違っていなかったと実感しています。
台風が来る前から雨続きだったので、最終戦がマディになることはわかっていました。でもマディは苦手じゃないし、チャンピオン争いを意識することもなく、いつも通りレースで勝とうと集中していました。昨日は雨が上がって重たいマディ。その後ブルで土を退けたので、今日の朝などは走りやすくなったんですが、雨が降り続けていたのでマディがゆるくなりました。真っ直ぐ走るのが難しい状況で、ワダチなどスタックポイントも増えました。
ヒート1は1周目からトップに立つことができたので、バイクもあまり汚れず理想的な展開になりました。山本選手のポジションはわかりませんでした。実際は真後ろにいたんですが、誰なのか気にせず普段と同じように自分の走りを貫こうと思っていたので…。とにかく転倒しないように走りきろうと考えていました。
中盤にちょっとスタックして、成田選手と山本選手に抜かれてしまったんですけど、落ち着いて上手く抜き返すことができました。マディのレースでは自分だけじゃなく、相手もミスしたりペースが乱れたりするものなので、あきらめずに追いかけたことが勝利につながりました。
ヒート2はスタートでちょっと出遅れ、泥水をかぶって前が見えなくなったので、ずいぶん後ろの方になってしまいました。グリッドは路面を見てあまり深くなさそうな中央付近に決めたんですが、出足が悪かったみたいで7番手ぐらいだったかな。午後から強くなった雨で水たまりが増えて、泥沼の底がどうなっているのかわからず、勘を頼りに良さそうな所を走りました。
後半に山本選手とバトルになったときは、このままじゃチャンピオンを獲れないと思って戦っていました。抜いたとしてもすぐ前ではだめで、このままでは負ける。例えば僕が1位で山本選手が4位でないと逆転できない。それはわかっていましたが、なかなか難しいことでした。焦りはなかったんですが、1回転倒したことがもったいなかったですね。
両ヒートとも山本選手の前でフィニッシュしましたが、結果的に11ポイント差を逆転することができませんでした。チャンピオンになれなかったということは、どこか足りないところがあるからでしょう。スタートの正確さ、勝負強さ、もっと自分自身に磨きをかけて、来年は必ずチャンピオンになります。
●新井宏彰の最終戦(IA1/7位/7位)
両ヒートとも転倒してしまい、いいところが全くなかったですね。ヒート1は出遅れた上に、2周目にスタック。ショートカット地点から下る手前のイン側のワダチにはまってしまい、危うく周遅れになる寸前でした。トップの小方に追い着かれましたから。
ヒート2はスタートも悪くなく、序盤は4番手でした。山本選手に抜かれてからしばらくは後ろを走っていたんですが、たぶんタイトルを意識して慎重に走っているんだろうなという印象でした。並びかけて一瞬前に出たんですが、また抜かれたりということがあって、その周の最終コーナーで転倒して、7番手までポジションを落としてしまいました。
今日の路面は終始シャバシャバで、最初は走りやすかったけれど、ワダチが掘れてきてからは硬い土でマシンが止まってしまうほどでした。タイヤは前後ともソフト。ところどころに硬い路面があったので、その辺りを重視してマディ用は使いませんでした。
雨のレースは体力的に疲れることはないんですが、ラインの見極めや状況判断に神経を使いますね。あとはマシンをいたわって、クラッチを多用しないように心がけるなど、クレバーに戦うことですね。
今大会は割と乗れていたので、スタックと転倒がなければもっと上位に行けたレースでした。注意していたつもりなんですが、路面状況が想像以上に悪化していて、ストップから復帰までに時間がかかりすぎました。そこがちょっと残念ですね。
今シーズンは開幕戦を除いて、序盤は悪くない流れだったんですが、ケガでそれが途絶えてしまいました。ランキングは2位から5位まで下げてしまったので、来年はケガをしないようにトップ争いをしたいと思います。
リザルト
IA1 Race1 |
|||
Pos. | No. | Rider | Machine |
---|---|---|---|
1 | 10 | 小方 誠 | Kawasaki KX450F-SR |
2 | 1 | 成田 亮 | Honda CRF450RW |
3 | 400 | 山本 鯨 | Honda CRF450RW |
4 | 99 | 平田 優 | Yamaha YZ450FM |
5 | 44 | 小島 庸平 | Suzuki RM-Z450WS |
6 | 166 | 星野 優位 | KTM 450SX-F |
7 | 331 | 新井 宏彰 | Kawasaki KX450F-SR |
8 | 8 | 星野 裕 | Kawasaki KX450F |
9 | 45 | 大塚 豪太 | Honda CRF450R |
10 | 113 | 田中 雅己 | Honda CRF450R |
11 | 19 | 長門 健一 | Honda CRF450 |
12 | 89 | 阿部 公亮 | Yamaha YZF |
13 | 20 | 白石 翔也 | Yamaha YZ450F |
14 | 09 | 小野 千成 | Honda CRF |
15 | 7 | 深谷 広一 | Suzuki RM-Z450WS |
16 | 04 | 大石 一斗 | Kawasaki KX450F |
17 | 793 | 池谷 優太 | Suzuki RM-Z450 |
18 | 72 | 村上 洸太 | Honda CRF450R |
19 | 21 | 中村 泰介 | Yamaha YZ450FX |
IA1 Race2 |
|||
Pos. | No. | Rider | Machine |
---|---|---|---|
1 | 166 | 星野 優位 | KTM 450SX-F |
2 | 1 | 成田 亮 | Honda CRF450RW |
3 | 45 | 大塚 豪太 | Honda CRF450R |
4 | 10 | 小方 誠 | Kawasaki KX450F-SR |
5 | 400 | 山本 鯨 | Honda CRF450RW |
6 | 8 | 星野 裕 | Kawasaki KX450F |
7 | 331 | 新井 宏彰 | Kawasaki KX450F-SR |
8 | 113 | 田中 雅己 | Honda CRF450R |
9 | 7 | 深谷 広一 | Suzuki RM-Z450WS |
10 | 19 | 長門 健一 | Honda CRF450 |
11 | 44 | 小島 庸平 | Suzuki RM-Z450WS |
12 | 99 | 平田 優 | Yamaha YZ450FM |
13 | 09 | 小野 千成 | Honda CRF |
14 | 793 | 池谷 優太 | Suzuki RM-Z450 |
15 | 20 | 白石 翔也 | Yamaha YZ450F |
16 | 89 | 阿部 公亮 | Yamaha YZF |
17 | 04 | 大石 一斗 | Kawasaki KX450F |
IA2 Race1 |
|||
Pos. | No. | Rider | Machine |
---|---|---|---|
1 | 6 | ジェレミー・マーティン | Honda CRF250RW |
2 | 31 | 渡辺 祐介 | Yamaha YZ250FM |
3 | 17 | 安原 志 | Kawasaki KX250F |
4 | 35 | 横澤 拓夢 | Honda CRF250R |
5 | 48 | 鳥谷部 晃太 | Yamaha YZ250F |
6 | 56 | 菅谷 峻介 | Kawasaki KX250F |
7 | 38 | 池本 凌汰 | Suzuki RM-Z |
8 | 43 | 内田 篤基 | Suzuki RM-Z250 |
9 | 57 | 大木 汰一 | Kawasaki KX250F |
10 | 52 | 平山 力 | Kawasaki KX250F |
11 | 07 | 町田 旺郷 | Yamaha YZ250F |
12 | 377 | 渡辺 涼太 | Kawasaki KX250F |
13 | 03 | 石浦 優 | Suzuki RM-Z |
14 | 74 | ⼩林 雅裕 | Yamaha YZ250F |
15 | 59 | 迫田 勇馬 | Kawasaki KX250F |
16 | 386 | 横山 遥希 | Kawasaki KX250F |
17 | 46 | 斉藤 嵩 | Suzuki RM-Z250 |
18 | 777 | ハドリー・ナイト | KTM 250SX-F |
19 | 62 | 浅井 亮太 | Yamaha YZ250F |
20 | 922 | 古賀 太基 | Honda CRF250R |
IA2 Race2 |
|||
Pos. | No. | Rider | Machine |
---|---|---|---|
1 | 922 | 古賀 太基 | Honda CRF250R |
2 | 6 | ジェレミー・マーティン | Honda CRF250RW |
3 | 35 | 横澤 拓夢 | Honda CRF250R |
4 | 17 | 安原 志 | Kawasaki KX250F |
5 | 48 | 鳥谷部 晃太 | Yamaha YZ250F |
6 | 43 | 内田 篤基 | Suzuki RM-Z250 |
7 | 57 | 大木 汰一 | Kawasaki KX250F |
8 | 31 | 渡辺 祐介 | Yamaha YZ250FM |
9 | 56 | 菅谷 峻介 | Kawasaki KX250F |
10 | 07 | 町田 旺郷 | Yamaha YZ250F |
11 | 777 | ハドリー・ナイト | KTM 250SX-F |
12 | 74 | ⼩林 雅裕 | Yamaha YZ250F |
13 | 30 | 岡野 聖 | Yamaha YZ250F |
14 | 38 | 池本 凌汰 | Suzuki RM-Z |
15 | 59 | 迫田 勇馬 | Kawasaki KX250F |
16 | 912 | 小川 孝平 | Honda CRF250R |
17 | 46 | 斉藤 嵩 | Suzuki RM-Z250 |
18 | 62 | 浅井 亮太 | Yamaha YZ250F |
19 | 42 | 北原 岳哲 | Kawasaki KX250F |
20 | 49 | 馬場 亮太 | Suzuki RM-Z |