■ 2017年 全日本ロードレース選手権 第8戦 岡山大会
■ JSB1000
■ 開催日:2017年10月1日(日)
■ サーキット名:岡山国際サーキット(3.703 km)
全日本ロードレースも残り2ラウンド。ここ岡山国際サーキットは周囲を吉備の山々で囲まれた緑豊かな立地。南北に長いストレートはメインが約600メートル、バックストレートが約700メートルと、それをつなぐ12個のコーナーで構成されている。
レポート
川崎重工の本社明石からほど近いこともあり、決勝日は多くのカワサキファンのフラッグ応援に沸いた。Kawasaki Team GREENは#23渡辺一馬選手 #46 松粼克哉選手ともに、カワサキZX-10RRでここのサーキットを走るのは初めてとなる。先週は2日間の合同テストが行われ、マシンのセットアップに精力的に取り組んでウィークを迎えた。
JSB1000クラスの予選はノックアウト方式で行われ、40分間のQ1で11位以下の順位が決定し、上位10名はQ2に進出、15分間のQ2にて1〜10位が決定するシステム。
Q1でタイヤが新しいうちにアタックしてトップ10に入るタイム1分28秒878を出した#23渡辺一馬選手は、残りの予選時間を、決勝を見据えてのセットアップに費やした。Q2に進んだ渡辺一馬選手は、決勝を意識した走りで1分28秒728で6番手グリッドを獲得。一方、#46 松粼克哉選手は、木曜に降った大雨の影響でコースコンディションが悪化し、グリップが低くなってしまったことに起因するのだが、金曜の走行からセットアップが難航してしまう。予選では若干立て直したが1分30秒120で15位。
決勝日はウィーク中、一番涼しい一日となった。午前中は陽の差す時間帯もあったが、JSBのレース時刻になるとサーキットは一面雲に覆われた。#23渡辺一馬選手は2列目から飛び出し、スタート直後に3番手につけオープニングラップを4位で戻ってくると、その後混戦になり6位までポジションダウン。渡辺は1分29秒前半で周回を重ね、9周目に前をいくライダーを捕まえると1つポジションを上げて5番手に。その後も後続を引き離して、前との差を詰めていきたいところだったが、渡辺もマシンも限界にきており全力で5位をキープしてチェッカー。ポイントを16積み重ね、ランキングトップから11ポイント差の3位を保って最終戦に向かう。
#46 松粼克哉選手は15番手、5列目グリッドからスムーズなスタートを切ったが、序盤から4~5台の集団に飲まれて、思うようにペースが上げられないまま、30秒台の中盤から後半のタイムで周回。終盤はタイヤのスライドが厳しくなってきたが、粘りの走行をみせ18ラップ目に13位に、22ラップ目には12位にポジションをあげてフィニッシュ。
渡辺 一馬(5位)のコメント
「スタートで1コーナーを3番手で入って行けたのは良かったと思っています。そのあとの混戦のなかで6位に落ち、5位になり、順位が落ち着いてからは前後とも同じくらいの距離があり、ペースを上げるのも難しく、24周全力でも力が足りませんでした。悔しいですけれど、現状では精いっぱいでした。これを受け止めて、どうやって上がっていくかを考えないといけない。ベースのセッティングは出来てきているので、次の鈴鹿は、開幕戦の頃よりは間違いなくいい走りができると思いますし、シーズンの最後ということで自分自身とバイク、どれだけレベルアップ出来たかを見るのが楽しみです。チャンピオン争いも、可能性はまだあると思うので、しっかり自分の手でつかみとれるように、最終戦は『オトコ』になります!!」
松崎 克哉(12位)のコメント
「序盤に自分のペースを上げて行きたかったのですが、集団につかまってしまってなかなかパスすることができず、そこでタイヤを使ってしまったようで後半はスライドが激しくなって落ちて行ってしまった。ウィーク通して上手くセッティングを進めることができませんでした。前回のオートポリスよりはアベレージを落さずにレースが出来たと思いますが、もうすこし上のポジションでレースをしないといけません。 鈴鹿までにトレーニングを重ね、研究してもう少し自分を鍛え直したいです。 最終戦の鈴鹿は、8耐で走り込んではいますが、みんな速いので気を引き締めていかないといけません。今シーズンの成果を出せるように、気合いをいれて挑みます!」
釈迦堂監督のコメント
「カワサキから一番近いサーキットでの開催でしたが、先週のテストまで全く走行の機会はなく、カワサキのバイクで走るのは初めてだった渡辺も松粼にも苦労をさせてしまったと思います。また、レースウィークの木曜日の大雨によりコースのコンディションの変化もあり、松粼も渡辺も、事前テストのタイムからなかなか上げられませんでした。 渡辺は土曜日の予選でなんとか上向きになり、タイムも28秒台に入ったので決勝はもうちょっとレベルを上げての表彰台を狙っていたのですが、現状は難しいところでした。 松粼は集団に飲まれてしまって、抜くのに時間がかかってしまいました。松粼はまだマシンのパワーを活かしきれてないところもあり、そのあたりは毎戦、柳川か藤原がコーチに付くことによって勉強してもらっています。 渡辺はチャンピオンの可能性も残っていますから、最終戦は思いっきり戦ってもらいたいですし。松粼は今シーズンはランキング10位以内を目標にしていますので、きっちりまとめて自力でトップエントラントの権利を獲得してほしいと思います。」
リザルト
IA1 Race1 |
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Pos. | No. | Rider | Machine |
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1 | 1 | 中須賀 克行 | Yamaha YZF-R1 |
2 | 5 | 野左根 航汰 | Yamaha YZF-R1 |
3 | 72 | 高橋 裕紀 | Honda CBR1000RR |
4 | 12 | 津田 拓也 | Suzuki GSX-R1000R |
5 | 23 | 渡辺 一馬 | Kawasaki Ninja ZX-10RR |
6 | 634 | 高橋 巧 | Honda CBR1000RR SP2 |
7 | 9 | 藤田 拓哉 | Yamaha YZF-R1 |
8 | 88 | 清成 龍一 | Honda CBR1000RR |
9 | 71 | 加賀山 就臣 | Suzuki GSX-R1000 |
10 | 50 | 濱原 颯道 | Suzuki GSX-R1000R |
11 | 94 | 浦本 修充 | Suzuki GSX-R1000 |
12 | 46 | 松崎 克哉 | Kawasaki Ninja ZX-10RR |
13 | 090 | 秋吉 耕佑 | Honda CBR1000RR |
14 | 47 | 上和田 拓海 | Yamaha YZF-R1 |
15 | 32 | 今野 由寛 | Suzuki GSX-R1000 |
16 | 080 | 渥美 心 | Honda CBR1000RR |
17 | 62 | 津田 一磨 | Yamaha YZF-R1 |
18 | 34 | 岡村 光矩 | Kawasaki Ninja ZX-10RR |
19 | 29 | 小島 一浩 | Honda CBR1000 |
20 | 450 | 相馬 利胤 | Yamaha YZF-R1 |