アジアロードレース選手権 第4戦 レース結果




■ 2016年 アジアロードレース選手権 第4戦 インドネシア大会
スーパースポーツ 600cc / アジア・プロダクション 250
■ 開催日:2016年8月7日(日)
■ サーキット名:セントゥール・サーキット(3.965 km)



Yudhistira、悔いが残る結果に終わる。


鈴鹿8時間耐久の熱が覚めやらぬまま、アジアロードレース選手権第4戦は8月5〜7日の日程で、インドネシア・セントゥールサーキットで開催された。
一部の参加者は2週連続の真夏のレースで疲労の蓄積が心配されたが、湿度が低く、朝晩は鈴鹿よりも涼しいことが救いとなった。
Manual-Tech Kawasaki KYTのエースYudhistiraにとって、ここセントゥールは昨年初優勝を遂げたコースであり、今年も優勝が期待された。一方、マレーシアのBike ART KawasakiはエースKamaruzamanが鈴鹿での負傷が完治していないため、今大会をキャンセルし、AP250に参戦するMuzakkirのみのエントリーとなった。
セントゥールサーキットは、かつては世界スーパーバイク選手権も開催されたことがあるコースであるが、十分なメンテナンスが行われていないため、コース表面のアスファルトははがれ、バンプも多く、マシンのセットアップや独特のライン取りなど、ライダーを悩ませるコースでもある。


レポート


会初日はフリー走行3回が行われる予定だったが、通関トラブルによりタイヤの到着が遅れ、フリー走行1回がキャンセルされた。  Yudhistiraは昨年のセットアップをベースに走行を開始、予選に向けてまずまずの感触を得たが、タイヤが変更されている分の微調整を行うには時間が不足していた。鈴鹿4時間耐久に出場したチームメイトのFadlyは、その経験を生かし、安定したラップを刻めるようになってきていた。  翌6日の予選、ほとんどのライダーがリアにソフトを選択してコースイン、Yudhistiraは開始早々1'29.754で暫定トップに立つ。しかし直後Zaidi(Honda)が1'29.746とわずかにYudhistiraを上回る。セッション終盤、タイヤを交換して再度アタックしたYudhistiraはセッション中ベストを0.002秒上回る1'29.752を記録したが、同様にアタックしたSalim(Honda)、Pratama(Honda) に先行を許し、4番グリッドからのスタートとなった。





しかし、この4台のタイム差はわずかに0.122秒。まさに大混戦が予想された。  午前に行われた予選に引き続き、午後14時30分にレース1はスタートした。
好スタートを決めたのはSalimだったが、3コーナーの進入でYudhistiraがトップに立つと、中盤までトップをキープしレースを支配する。16周で行われるこのレース、このまま逃げ切ることが期待されたが、11周目の10コーナーへの進入速度がわずかに高すぎた。レコードラインをわずかにはずしたことで路面のうねりにフロントをすくわれ痛恨の転倒、レースは2番手を走行していたSalimが優勝した。2位にPratama、3位にZaidi。
チームメイトのFadlyも4周目の3コーナーで転倒を喫し、地元開催でありながら成績に結びつけることができなかった。








大会3日目、この日も好天に恵まれた。朝に行われた15分のウォームアップセッションでトライした新たなセットアップに好感触を得たチームであったが、前日のそれも悪くないため、どちらのセットアップでレース2に望むか、前夜に続き、コーチの藤原をはじめスタッフとYudhistiraは、レース2に向けて議論を重ねた。
 チャレンジングスピリットに溢れるYudhistiraは新たなセットアップで望むことを選択、マシンをグリッドに並べた。  路面温度は前日同様60度を超え、マシン、ライダー、タイヤに厳しい環境であったが、それはすべてのライダーに言えることで、その中で勝つことこそが強いライダーの証明と言えた。


ホールショットはSalimが奪ったが、Yudhistira、Pratama、小山(Honda)、Zaidiが追う。予選でも僅差の5台が極限状態で走行しているため、膠着状態が続く。中盤以降もその状態は続き、誰かが動けばその瞬間に均衡が崩れ、瞬時にバトルが始まるような状態だった。残り3周、Pratamaが1〜2コーナーでわずかに動くが、4コーナーまでに収束し、状況は変わらない。残り2周、再度Pratamaが動きを見せるがその動きは小さく、すぐに収束する。そして最終ラップ、今までのPratamaの動きが間合いを計っていたかのようにYudhistiraに仕掛ける。しかし、Yudhistiraは3コーナーでこれを抑えることに成功する。今までは動きが収束したが、5〜6コーナーのシケイン部分の進入で、Zaidi、小山もPratamaに続き、Yudhistiraのインサイドに車体をねじ込んできた。完全にインを塞がれたYudhistiraは失速、一気に5番手まで順位を落とし、リカバリーするチャンスを得ることができず、そのまま5位でチェッカーを受けた。
 Fadlyはレース1での負傷が響き、全力で戦うことができなかったが、14位でフィニッシュし、2点を獲得した。  次戦、第5戦は10月4〜6日、インド・ブッダサーキットで開催される。





リザルト


Race 1

Pos. No. Rider Machine
1 31 Gerry Salim Honda
2 20 Dimas Ekky Pratama Honda
3 21 Md Zaqhwan Zaidi Honda
4 71 小山 知良 Honda
5 24 Decha Kraisart Yamaha
6 100 Thitipong Warokorn Honda
7 77 羽田 大河 Honda
8 91 Jakkrit Sawangswat Honda
9 34 岩田 悟 Honda
10 41 芳賀 紀行 Suzuki
11 12 Md Fitri Ashraff Razali Yamaha
12 98 Patis Chooprathet Suzuki
13 14 Anucha Narkcharoensri Yamaha
14 51 細野 陽一 Yamaha
15 69 Shankar Sarath Kumar Honda


Race 2

Pos. No. Rider Machine
1 31 Gerry Salim Honda
2 21 Md Zaqhwan Zaidi Honda
3 20 Dimas Ekky Pratama Honda
4 71 小山 知良 Honda
5 33 Ahmad Yudhistira Kawasaki
6 77 羽田 大河 Honda
7 13 Anthony Keith West Yamaha
8 41 芳賀 紀行 Suzuki
9 91 Jakkrit Sawangswat Honda
10 34 岩田 悟 Honda
11 98 Patis Chooprathet Suzuki
12 12 Md Fitri Ashraff Razali Yamaha
13 14 Anucha Narkcharoensri Yamaha
14 108 Andy Muhammad Fadly Kawasaki
15 78 Michael Blair Yamaha
16 51 細野 陽一 Yamaha
17 69 Shankar Sarath Kumar Honda