2016 All Japan Road Race Championship 第5戦




■ 2016年 全日本ロードレース選手権 第5戦 SUGOスーパーバイク
  120mile耐久レース
■ JSB1000
■ 開催日:2016年6月26日(日)
■ サーキット名:スポーツランドSUGO(3.737 km)




今シーズン最高位の2位を獲得した渡辺

最後まで3位争いを展開した柳川は4位でチェッカー


レポート


朝のフリー走行でセッティングを大きく変更した柳川は、さらに決勝でもセットを調整。ドライコンディションでの走行データは十分とは言えない状況だったが、ライダーとしてのキャリアと勘を信じてのチャレンジだった。





決勝のスタートは午後13時20分。120マイル先、52周のレースはスタートした。好スタートを見せたのは渡辺。ホールショットこそ譲ったが、2番手で1コーナーに飛び込みオープニングラップは3位で通過する。柳川は少しポジションを落として6番手となったものの、2周目には山口選手(#104)をパスして5位に浮上。さらに3周目には4番手にポジションを回復した。3番手走行中の渡辺は、4ラップ目のシケインで、津田選手(#12)をとらえ2位に浮上した。さらに渡辺は5周目以降1分27秒台に入れトップを追走する。10周目のラップタイムは1分27秒570。周回遅れをパスするためにタイムロスした16週目までそのペースは変わらず、予選からの仕上がりの良さをタイムで示した格好となった。







野左根選手(#7)を従える格好で、4位争いを展開していた柳川も1分28秒台前半のペースで、3位の津田選手とのギャップを徐々に詰めていく。7周目にはコンマ5秒を切るタイムまで詰め寄り10周目に津田選手をパス。表彰台圏内にポジションアップした。ここで一気に引き離したい柳川だったが、13周目あたりから出現しはじめたバックマーカーに思うようなラインをとれない状態が続いた。24ラップ目には当初の予定通り柳川が先にピットイン。前後のタイヤを交換し、ガソリンをチャージして約14秒でピットを後にした。


渡辺のピットインも当初から予定していた28周目。同じくガソリンチャージ、前後のタイヤ交換を終えて13.5秒のピットワークで再びコースインしていった。ピットワークで一時的に順位を落とした両名だったが、柳川はコースインのタイミングが悪く、ペースを上げられない状態が続き、2秒以上あったアドバンテージを吐き出し、4位に後退する。各チームのピットイン作業で目まぐるしく順位が入れ替わったものの、渡辺は2位をキープ。3位走行の津田選手に対しては6〜7秒のマージンをキープして第2スティントを走行する。コース上にペースの上がらないマシンが散見する中で、渡辺のペースは1分28秒台と安定。後続に対するセーフティマージンを築いたまま、2位表彰台を獲得した。


周回遅れにペースを上げられなかった4位走行中の柳川だったが、前を行く津田選手の背中が徐々に大きくなり、5秒以上あったギャップも残り6周で4秒差になり、さらに3秒差、そして残り2周では第2スティントのベストラップ1分28秒209を50周目にマークして、わずか1.57秒差にまで肉薄した。この猛追劇にピットはどよめく。が、しかし、第1コーナーで柳川がわずかにオーバーラン。チームグリーン2名の表彰台は実現しなかったものの、柳川の表彰台をかけた猛烈な追い上げにピット内はおおいに色めき立った。


表彰台に登った渡辺の獲得ポイントは22で累計63ポイントの4位。柳川も18ポイントを加算して64ポイントの3位で前半戦を折り返した。








渡辺 一樹(2位)のコメント

 「8耐に向けた事前テストでのロングランを含め、ようやく新型マシンのパフォーマンスをうまく引き出せるようになってきたと感じています。どの部分がというわけではなく、全体的なバランスですね。予選でも目標タイムに近い数字が出せたし、決勝でも序盤はしっかりトップの背中を意識した走りができたと思います。序盤ではタイヤをコントロールする走りの中で、1分27秒台をしっかりキープ。新型マシンになってまだ3戦ながら、大きく前進したと実感できたレースでした。たしかに、トップとのギャップはまだあります。そのギャップがしっかり把握できました。それだけに、2位表彰台という結果を素直に喜びたいと思います。」




柳川 明(4位)のコメント

 「決勝の朝行われたフリー走行でのセッティング変更にチャレンジ。決勝レース直前でのさらなるセット変更と、時間の許す限りあらゆる可能性を試した結果、トータル的なフィーリングは改善されました。が、コーナー旋回中のマシンバランス調整で満足のできるところまで煮詰めることができず、イメージしていたラップタイムに対してコンマ5秒ほど届きませんでした。決勝レースでは、ラップタイマーがうまく作動しなくなり、自分のペースをつかめなくなりましたが、第1スティントは3位をキープ。第2スティントで周回遅れに手間取るなどしたものの着実に順位を挽回し、残り数周で3位に迫るなど状況が厳しくなるレース終盤で高いパフォーマンスを発揮できたことは収穫だったと思います。」


釈迦堂監督のコメント

 「惜しくもダブル表彰台とはいきませんでしたが、渡辺の2位表彰台、柳川の4位入賞と十分手ごたえを感じることの出来たレースとなりました。渡辺は走行ごとにマシン調整がうまくかみあい、テストからレースウィークとタイムを刻んで決勝レースでも想定以上の走りを実践。タイヤライフをコントロールする走りも見せ、8耐を含め後半戦に向け、大いに期待をもてるレースとなりました。ドライセッションでの走行が不十分でマシン調整に時間を要した柳川も、第1スティントでは3位走行と健闘してくれました。第2スティントでの追い上げもすばらしく、52ラップという長丁場のレースでしたが、最終ラップまであきらめない走りはさすが。残り数周の猛追は耐久での速さにつながると期待しています。」


リザルト


Pos. No. Rider Machine
1 1 中須賀 克行 Yamaha YZF-R1
2 26 渡辺 一樹 Kawasaki Ninja ZX-10R
3 12 津田 拓也 Suzuki GSX-R1000L6
4 87 柳川 明 Kawasaki Ninja ZX-10R
5 7 野左根 航汰 Yamaha YZF-R1
6 634 高橋 巧 Honda CBR1000RR
7 104 山口 辰也 Honda CBR1000RR
8 71 加賀山 就臣 Suzuki GSX-R1000
9 90 秋吉 耕佑 Honda CBR1000RR
10 85 中冨 伸一 Yamaha YZF-R1
11 39 酒井 大作 BMW S1000RR
12 32 今野 由寛/ジョシュア・ウォーターズ Suzuki GSX-R1000
13 135 児玉 勇太/ギネス・マシュー BMW S1000RR
14 18 中津原 尚宏 Honda CBR1000RR
15 57 片平 亮輔 Honda CBR1000RR
16 14 武石 伸也/中本 郡 BMW S1000RR
17 15 藤田 拓哉 Yamaha YZF-R1
18 35 リム・ホゴン/星野 知也 BMW S1000RR
19 83 コーリー・ターナー Yamaha YZF-R1
20 539 高田 昌明/坂本 弘正 Honda CBR1000RR