技術情報 ― 新しい?クラシックカー用オイル発売 ―

“エルフ”のオイルと言えば、本国のフランスや周辺の国々では高性能で、エキスパートが好むオイルとして広く知られています。従ってラインアップも、通常の乗用車で使うものから、環境重視の先進プレミアム、レース専用オイルそれもモーターサイクルから、フォーミュラレース、サルーンカーレース用、ラリーレイド用などと、ひと際とんがったものを用意していたりします。今度リニューアルして発売するオイルもそんなカテゴリーに属するものです。そして何よりもこの会報の読者にぴったりです。


‘エルフHTX レトロ 1’と‘エルフHTX レトロ 2’で、粘度は1がシングル40番、2が20W50です。こだわりは徹底的で、HTX レトロ1は1930年から1960年にかけて生産されたクルマ用、HTX レトロ2は1960年ころから1980年にかけて生産されたクルマ用となっています。はっきり言って技術的に何ら難しいことはありません。むしろよくこんな材料が手に入ったな、とか、ここまで当時のクルマに適するようこだわる必要があるのかといった面が、内輪ながら感心してしまうところです。とっくにご存じのことと思いますが、欧米は、クラシックカーやクラシックモーターサイクルの宝庫です。それらを当時のままに大切にしよう、つまり当時のメタルやゴムやシールによくなじみ、最近のものにありがちなアグレッシブな性格を抑え込んでいる、そんな思想で開発されています。
先日あるイギリスのテレビ番組で、アメリカのクラシックカーコレクターが出演していました。最近ホンダの燃料電池車をリースしたとのことですが、こんな素晴らしいクルマはないとの評価。その理由は次世代のエコカーが増えれば、自分が所有している大好きな古いクルマたちが、これからも生き残っていけるからとのことでした。全く頭が下がる熱意です。
レトロ1とレトロ2、極めて少量生産ではありますが、比較的リーズナブルな価格に設定してあります。5リッター入りの鉄缶で希望小売価格は10,500円となっています。


日本クラシックカー会報誌「オイル・色々ばなし−38」(当社営業部長寄稿)より









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