黒と金のロータス・ルノー + セナがやって来る。




黒と金のカラーリング、ロータスの名前にルノーのエンジン、そしてドライバーに黄色いブラジルカラーのヘルメットのセナ。この組み合わせがいよいよ鈴鹿にやって来る。


帰ってくると書きそうになったが、以前の同じ組み合わせでは日本に来ていないことに気がついた。


F-1でのロータス、そして黒と金のカラーリングは特別だったし、1970年代の終わりに、それが富士スピードウィを疾走し、マリオ・アンドレッティが優勝を飾っていたので、イメージがダブってしまったのだろう。

現在のセナ、つまりブルーノ・セナの叔父にあたるアイルトン・セナロータスに所属していた頃は、ルノーエンジン時代、ホンダエンジン時代ともにエルフがスポンサー/サポートをしていた。今と同じである。

テクニカル・サポートチームと宣伝・広報チームの両方がF-1チームに帯同するのが、エルフのスタイルなのだが、当時の宣伝・広報チームのスタッフから次のような話を聞いたことがある。彼は、既に定年でリタイアしている。

あるレースが終わった後、別の国でイベントが予定されていたため、ハイヤーか何か、クルマを用意し、空港までセナを送っていくことになっていた。

迎えのクルマのところまでやって来たセナは、運転手に席を譲るように言い、自分で運転することにしてしまった。運転手と広報担当は後ろの席に。なんとまあ、贅沢なハイヤーであろうか!そして、高速道路の料金所に来た時、料金所のおやじが驚いたことと言ったら!ハイヤーの運転手がセナ、二人の男の客を乗せている。広報担当者は、そのときの料金所の親父の驚いた顔が忘れられない、と。

いかにもセナらしいエピソード。誰にもステアリングを譲りたくなかったのだろう。PASSION、よく、エルフのスタッフがレースや仕事に対してつかっているのだが、日本語では情熱、それが偉大なるセナの最も根源にあったように思う。

21世紀のセナにも、PASSIONを鈴鹿で、日本の観客に見せてほしい。

By RS126