細かいことからコツコツと。最新の省燃費オイル

地球温暖化の元凶とされるCO2の削減のため、また最近の原油高の影響もあり、省燃費ということが、今一番の関心事となっています。燃費を良くするには、エンジン本体や動力伝達部(トランスミッションなど)の改良が主役であることは言うまでもありませんが、それらに使用されるオイルも一役買っています。


エンジンオイルについて言うと、最近の国産乗用車に多く推奨されている5W20や0W20という、いわゆる低粘度オイルはまさに省燃費性を狙ったもので、低粘度を使用できるよう進化してきたエンジンをサポートしているというわけです。付け加えますと、クルマというパッケージの中で、オイルは必要不可欠ではありますが、あくまでも助演です。主演はエンジンなどのハードがつかさどっています。


これら超低粘度オイル(あえて超を加えます。現状の液体潤滑の常識上、ぎりぎりのやわらかさなので)が、燃費にどれくらい効果があるかというと、誤解を恐れずにいえば、微々たるものでしかないというのが本当のところです。われわれエルフはいろいろなデータを有していますが、ヨーロッパで主に使われている粘度の高いオイルに比較すれば、アーバンドライビング、ミックスドライビング(アーバンドライビング+高速道路ドライビング)のいずれにおいても省燃費のオイルは4%〜6%という改善率を示します。でも、もともと10W30や5W30といったオイルを推奨してきた国産車では、その効果はぐっと小さいものになります。何だ、その程度かと思われるかもしれません。“燃費10%改善”とか2割良くなるとか刺激的な数字は現実のところオイルではありません。魔法は存在しませんし、画期的な基材も当面は出てこないでしょう。正直なところ、ドライビング・スタイルの方が燃費には大きな影響を与えます。


オイルでできることは、しかしわれわれオイルメーカーは懸命に突き詰めています。粘度を含め、摩擦軽減剤など細かな部分で改良を重ね、そのために起こるマイナス面を消し、消せないまでも小さくし、環境に貢献できるよう努力をしています。一台単位ではほんの僅かでも、トータルで見れば、その効果は無視できないものになるというわけです。なお、古いクルマでは5W20,0W20といったオイルはエンジンにダメージを与えることがあるのでご注意ください。(マニュアルを参照してください。特にスポーツ系のエンジンでは、使えないケースが多いのです。)




日本クラシックカー会報誌「オイル・色々ばなし−21」(当社営業部長寄稿)より







エルフマスコット― Oliaちゃん




エルフウェブサイト






Panda